小児科に配属された看護師の多くは、成人看護と小児看護の違いに戸惑います。
最も大きく違うのは、患者が発達段階にある患児だということでしょう。
長期化する慢性疾患で入院している子どもには、成人よりも長い未来があります。
成長が、病院生活に大きく左右されるかもしれません。
また、両親との関わりがある点も然りです。
病気のことを伝えたときにすぐ受け入れられないのは、子どもも大人も同じです。
しかし、子どもの方が感情的になり、その動揺が暴力や暴言などの形になって現れることがあります。
そういったときに助けになるのが看護師です。
気持ちを受け止め、寄り添い、見守ります。
少し落ち着いたときに、先のことを一緒に考えてあげることも大切です。
将来への不安を少しでも解消できるよう、治療の大まかな流れを分かりやすい言葉で教えてあげると、気持ちが落ち着いてきます。
長期入院で親と離れて生活しなくてはいけない状況に、ストレスを感じる子どももいます。
特に乳幼児期から小学校低学年によく見られるのが、親との分離不安です。
泣いたり怒ったり、ときには暴れるなど、こうした子どもの行動は、愛情欲しさの現われです。
やはりここでも気持ちを受け止めてあげましょう。
乳幼児の場合は言葉をかけるよりも、抱っこしてあげる方が安心します。
そのほか絵本を読んだり遊んであげたりすると落ち着きます。
学童期に入った子どもの場合は、次に親といつ会えるのかわかると落ち着くことが多いため、カレンダーに親が来る日を書いておくのも効果的です。